遺言執行者によってのみ執行される遺言事項は、身分上に関する遺言事項のうちの認知と、相続に関する遺言事項のうち推定相続人の廃除・取消です。
遺言執行者がいるときは遺言執行者により、いないときは相続人によって執行される任意的な遺言事項は、次のものになります。
1⃣ 相続に関する遺言事項のうち、法定相続分を超える相続分の指定及び特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」旨の遺言。
2⃣ 相続財産の処分に関する遺言事項のうち遺贈、財団法人設立のための寄付行為、信託の設定。
3⃣ 祖先の祭祀主宰者の指定、生命保険金の指定、変更です。
遺言により遺言執行者の指定があれば、もちろんその遺言執行者によってのみ執行されますが、遺言執行者の指定がない場合は(指定された者が辞退したときも含む)、相続人の共同行為によって執行することになります。
上記相続人が執行できる場合でも、更に相続人その他利害関係人の請求により、家庭裁判所から遺言執行者が選任された時は、相続人らは遺言を執行する権限を失い、以降は家庭裁判所から選任された遺言執行者によってのみ執行が行われます。
上記以外の遺言事項は、執行行為の入る余地がないので、遺言執行者は不要です。
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